Uncategorized

便潜血

更新日:

大腸などの下部消化管に異常が生じると出血が起きる病気がいくつかあります。本検査は、便の中に血液が混入していないかを調べる事で病気の診断を行う検査となります。現在は、免疫学的便潜血検査といって赤血球由来のヘモグロビンを検出する方法が主流となっています。この方法、胃や食道などの上部消化管からの出血だと胃酸や消化酵素の作用・腸内細菌によって分解されてしまう為、出血の検出は困難となってしまうのです。その為、本検査は下部消化管の出血検出を主とした検査だと言えます。さて、前述したように大腸の病気には出血を伴うものが多く存在します。ですので、本検査は病気をふるい分ける為のスクリーニング検査としても広く利用されています。健康診断においても重要な検査項目であるといえ、特に大腸がんの早期発見には欠く事の出来ない項目です。かつては日本は、欧米に比べて大腸がんは少ないとされていました。しかし今日では、死亡数・罹患数双方で男女別に見ても3位以内に入り込むほど、大腸がんになる人は増えてきています。その要因の一つは、食生活の欧米化・高齢化などがあげられます。それに伴って、便潜血検査の意義も高まっているのです。また、痔疾などの肛門周囲の病気も多く、これらでも陽性となります。検査の精度を上げるためにはいくつか注意すべき点があります。特に採便方法・検査までの検体保管方法には注意を凝らす必要があるといえます。採便については、検体は数か所から採取する・トイレの洗浄水に添加されている消臭剤・消毒液が混入しないようにする事が大切です。便潜血は時間の経過とともにヘモグロビンが変性するなどの理由で偽陽性率が上昇してしまうので、この点も留意しておく必要があると言えます。従って、採取後は速やかに検査する必要があるのですが、やむを得ず保存するという可能性もあるでしょう。その場合には、冷蔵保存が望ましいとされています。また、2日続けて検査する2日法の方が検出率は高まります。この2日法の場合、1回でも陽性であれば陽性と判断がなされます。便潜血検査で陽性であっても、必ずしも重要な病変の存在を確定するものではありませんが、陽性時には基本的には下部消化管を精査する事になります。内視鏡検査・X線検査(注腸造影)がありますが、最近では内視鏡検査が多く行われているように思います。

-Uncategorized

Copyright© 優&真presents Andreavetsch , 2024 All Rights Reserved.