腎臓の糸球体のろ過能力について調べる検査の事を「腎クリアランス」という。
その中で最も多く行われているのが「クレアチニンクリアランス」である。これは、腎機能が著しく低下した患者さんに対して糸球体の能力を調べる検査である。
この検査結果より、人工透析に踏み切るのか否かを決める上で非常に重要な指針にもなるのである。
さて、クレアチニンというのはクレアチンがエネルギーとして燃焼した後に生じる老廃物の事である。
腎臓の中にある糸球体でろ過されたのち、再吸収されることはほとんどなく尿と共に排泄されていくのが正常な状態だ。
このクレアチニンは一定量ずつ常に除去されていく性質をもっている為、この性質を応用し、一定の時間内で除去される量を調べれば糸球体のろ過機能が正常に稼働しているかどうかを明確にすることが出来るのである。
クレアチニンクリアランスでは、1分間ごとの排泄量を算出していく。
検査の大まかな流れとしては、まず排尿を済ませた後500mlの水を飲んでもらう。
その後1時間後に尿をすべて排泄してもらう。この排泄時の時間等も記録し、その後さらに30分経ったら採血・60分後に採尿を行っていく。
採取した血液と尿に含まれているクレアチニンを測定していく。
1時間当たりのクリアランス量が分かる為、そこから1分毎の量を算出していくというわけだ。
検査値が70ml/分以下であれば腎機能が低下していると分かる。
異常が見つかった場合にはタンパク質の制限を行い、病気をコントロールしていく必要があるだろう。
また、数値がさらに下回り、30ml/分以下になるようであれば人工透析を検討していかなければならない。