グルカゴンとは、膵臓で作り出されるホルモンの一つである。
肝臓に蓄えられたグリコーゲンを分解して糖を作り出す働きを担っている。
血液中のブドウ糖が減ることで低血糖になると、緊急的に分泌されて血液中に増えて血糖を上昇させるのである。
つまりインスリンとは対にあたる働きを行っており、血糖値が低下した場合にはグルカゴンが血糖値を上昇させ、血糖が高くなるとインスリンが血糖値を低下させ、血液中の糖分が一定に保たれるようになっているのである。
このグルカゴン、膵臓だけでなく腸管でも生成されている。
その名も腸管グルカゴン。
しかし、グルカゴンの数値を調べる際に用いるのは前者の膵グルカゴンである。
さて、気になるのはグルカゴンの検査から何が知り得るかという事だ。グルカゴン値に何か異常が生じた場合、血中の恒常性を維持するシステムに何らかの異変が起こっているという事になる。
主に低血糖について調べる検査であるのだが、糖尿病の症状として血糖の変動が激しい場合にも用いられている。
この検査は、血液を採取しグルカゴンに含まれているアミノ酸を感知する特異抗体を用いることでグルカゴン値を検出するのである。
検査ののち、血中インスリンやCペプチドの値と比較検討することで低血糖に陥っている原因を探し出していく。
専門的な検査により、グルカゴンを分泌する膵臓のA細胞の機能を調べたり、画像検査より膵臓の観察等も行ったりする。
また、内分泌疾患が疑われている場合にはACTH、視床下部・下垂体・副腎皮質系の検査も行う必要がある。
加えて、著しく高い数値が出ているようなら腫瘍を疑う必要も出てくる為、CTやエコーなどの画像検査からも検討を行など慎重な検査が大切だといえるだろう。