糖尿病は初期段階においては自覚症状がほとんど現れませんが、高血糖の状態が続くと全身の血管や神経に障害が発生します。その結果、様々な合併症につながる恐れがありますが、特に注意したいのが網膜症・腎症・神経障害の3つの合併症です。
網膜症は、カメラにおけるフィルムの役割を果たしている網膜に障害が起こる病気で、最悪の場合は失明につながります。腎症は、腎臓の機能が低下する病気です。腎臓は一度機能が低下してしまうと元の状態に回復することがないため、症状が悪化した場合は生涯にわたって人工透析治療が必要になります。神経障害は、手足のしびれなどの症状が現れる病気で、適切な処置をしなかった場合は足潰瘍や足壊疽へつながり、足の切断を余儀なくされる可能性があります。このように糖尿病はQOL（生活の質）を著しく低下させる合併症につながる恐れがあるので、適切な処置を行って血糖値をコントロールすることが大切です。